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EDの旦那がその気になる漢方

不妊イメージ

「赤ちゃんが欲しくても、旦那がその気になってくれなきゃ始まらない。」
微妙な旦那コントロールの悩みを口にする不妊女性は少なくありません。

2010年には、世界中で推定4850組のカップルが不妊症でした。[1] 不妊カップルの約40%では、男性パートナーが唯一の原因であるか、不妊症の一因です。[2]

また、世界の離婚率も上昇しており、日本の離婚率は約35%前後になっており、2019年度の厚生労働省の調査によると離婚件数は約20万9,000件にものぼります。 一方、婚姻件数は約59万9,000件にものぼりますが、3組に1組の夫婦が離婚しているというのが現状です。
 参考:世界の統計2021 2-17 婚姻率・離婚率総務省統計局 第2表-2 人口動態総覧(率)の年次推移 [189KB]

離婚の理由は様々ですが、解決できる一旦となるものがあるならば、少しでも漢方を扱うものとしてお手伝いしたいところです。

不妊イメージ
 
今回ご紹介する漢方薬は、男性の力強い救世主となるもの「紅蔘(コウジン)」です。「用量」に対応するために煎じ薬の「独蔘湯(どくじんとう)」やエキスタイプから、錠剤や丸剤、ドリンク剤に至るまで多様な剤型をご用意しています。

紅参(コウジン)は高麗人参の加工法の違いからなるもの、一般的に土産物店などで出回っている白い高麗人参(白蔘)とは、原料植物は同じでも、加工法の違いから成分や機能は一線を画しています。

紅参は、心臓血管系、免疫系、血液凝固系、神経系など複数のシステムで多様な生理学的効果があることが知られています。中でも当店では糖尿病患者に対する効果は期待できると実感しています。現在でも日本の健康保険で使う薬として薬価収載されていますが、何にでも効果的に作用し、かつ高価なために、2000年過ぎから健康保険では使えなくなっており、自費での服用に限られてきています。

この紅参(コウジン)は、セックスパフォーマンスを高めるばかりか、精子形成に重要な働きをする事が分かっています。今回は、セックスパフォーマンスに関してご紹介していきましょう。

男性機能向上に

紅蔘(コウジン)は、単独または漢方薬と併用して服用され、男性の性的能力、中でも「勃起」を高めることが知られています。この有益な効果は、世界的な多くの論文によって科学的に評価および確認もされています。[3]

研究例をご紹介しましょう。
軽度または軽度から中等度のED(勃起障害)を呈する合計60人の患者で、紅参(コウジン)とプラセボの有効性を比較する二重盲検プラセボ対照試験をしたものです。
対象者が服用した紅参(コウジン)は少なく、1,000mg(1日3回)期間は3か月、通常日本で保健維持量とされている紅参(コウジン)の量は1日3ℊですから、特別な量ではありません。[4]

―国際勃起機能指数(IIEF-5)スコアで見た比較―
プラセボ試験の結果、機能ベースでみると、紅参(コウジン)を服用した治療後の国際勃起機能指数(IIEF-5)スコアの5項目バージョンは、治療前と比較して紅参(コウジン)グループで有意に高く出て、効果的であることが分かりました(P <0.0001)。 対照的に、紅参を使わないプラセボ群では治療前後に差はなく、効果はありませんでした(P> 0.05)。

―効果が出た人数(割合)で見た比較―
また、試験結果を人数ベースでみると、紅参(コウジン)グループでは、20人の患者(66.6%)が勃起の改善を報告し、世界的な有効性の質問でも有意に効果が出ていました(P <0.01)。 対照的に、プラセボ群では有意な効果はありませんでした。 当店の例では、糖尿病の患者でも同様で、治療中の韓国の患者から電話で問い合わせがあったほどです。糖尿病の効果的な改善があったばかりか、思わぬ副反応に単身赴任先に奥さまを呼び寄せて同居されたそうです。 この効果は、紅参の一酸化窒素(NO)合成誘導による血管平滑筋の弛緩作用によることが分かっています[5]。

性欲を沸かす

 そもそもですが、意欲が沸かないことには何事も始まりません。マウスなどげっ歯類を使った研究によると、交尾行動が促進できることが明らかになっています。またその交尾行動は、用量依存的に増加することも分かっています。
 ヒトなど高等哺乳類の性欲は、男性の性ステロイドホルモンであるテストステロンのレベルと強く相関しています。このテストステロンは、脳の下垂体で産生される黄体形成ホルモン(LH)のコントロール下で合成されます。[6]

テストステロンのレベルは、性欲と強く相関していますが、紅参(コウジン)によるテストステロンのレベルは、紅参(コウジン)を取る量と用量依存的かつ時間依存的に関係していることが分かっています。

例えばげっ歯類のラットによる研究によると、エサの中に5%の紅参を混ぜて60日間与えたラットはテストステロンのレベルが有意に上がりましたが、1%では効果が出ていませんでした。[7]これは、紅蔘(コウジン)の成分ジンセノサイドRb1が脳の下垂体に直接作用して、黄体形成ホルモン(LH)の分泌を促進することだと分かっています。[8]

別の研究でもこの成分は、血漿総テストステロン、遊離テストステロン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン(LH)のレベルを有意に増加させることが分かっています。[9] 卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン(LH)は女性の正常な排卵に対しても重要なホルモンです。
これらのことから、カップルで紅参(コウジン)を摂ると、大変効果的です。実際に当店では、時期に合わせてご夫婦で服用していただいた方に、嬉しい報告をいただいています。

またこの効果は、高麗人参の種類によっても大きく異なることが指摘されています。例えば、アメリカ人参の同じ量を28日間服用しても、げっ歯類のラットの血中のテストステロン濃度は上がっていませんでした。[10]

高麗人参は、媚薬としての評判も高いですが、高麗人参の種類と服用期間の違いは、性欲増強能力に違いが出るようです。
笠原健招堂薬局で使用している高麗人参紅参(コウジン)は、韓国の元専売公社(正官庄)で製造販売している品質の高いものです。安心してお飲みください。


[参考文献]
[1]M. N. Mascarenhas, S. R. Flaxman, T. Boerma, S. Vanderpoel, and G. A. Stevens, “National, Regional, and Global Trends in Infertility Prevalence Since 1990: A Systematic Analysis of 277 Health Surveys,” PLoS Med., vol. 9, no. 12, p. e1001356, Dec. 2012, doi: 10.1371/journal.pmed.1001356.

[2]“Quick Facts About Infertility.” https://www.reproductivefacts.org/faqs/quick-facts-about-infertility/(accessed May 05, 2021).

[3]D. J. Jang, M. S. Lee, B. C. Shin, Y. C. Lee, and E. Ernst, “Red ginseng for treating erectile dysfunction: A systematic review,” British Journal of Clinical Pharmacology, vol. 66, no. 4. Br J Clin Pharmacol, pp. 444–450, Oct. 2008, doi: 10.1111/j.1365-2125.2008.03236.x.

[4]E. de Andrade et al., “Study of the efficacy of Korean Red Ginseng in the treatment of erectile dysfunction,” Asian J. Androl., vol. 9, no. 2, pp. 241–244, Mar. 2007, doi: 10.1111/j.1745-7262.2007.00210.x.

[5]K. W. Leung, Y. K. Cheng, N. K. Mak, K. K. C. Chan, T. P. David Fan, and R. N. S. Wong, “Signaling pathway of ginsenoside-Rg1 leading to nitric oxide production in endothelial cells,” FEBS Letters, vol. 580, no. 13. pp. 3211–3216, 2006, doi: 10.1016/j.febslet.2006.04.080.

[6]W. O. Nelson and K. Bank, “The Male Sex Hormone : Some Factors Controlling its Production and Some of its Effects on the Reproductive Organs,” 1937. [Online]. Available: http://hdl.handle.net/1811/2902.

[7]S. L. Gray, B. R. Lackey, and W. R. Boone, “Effects of Panax ginseng, zearalenol, and estradiol on sperm function.,” J. Ginseng Res., vol. 40, no. 3, pp. 251–9, Jul. 2016, doi: 10.1016/j.jgr.2015.08.004.

[8]“Stimulatory effect of Panax ginseng principles on DNA and protein synthesis in rat testes – PubMed.” https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/578462/(accessed Apr. 11, 2021).

[9]K. Wah Leung and A. S. Wong, “Spermatogenesis Ginseng and male reproductive function,” 2013, doi: 10.4161/spmg.26391.

[10]“1991.No.12 p74 薬用人参の向精神作用に関する行動行動薬理学的研究‗性行動障害に対するサポニン成分の効果.P.PDF.” .

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