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【第2話】アレルギー性鼻炎・喘息と洗剤・柔軟剤成分のお話

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今回は、洗剤と柔軟剤が引き起こす呼吸器疾患についてのお話です。
日本では、年々通年性鼻炎患者が増えており、鼻炎患者の多くがやがて喘息にもかかっています。鼻も肺も同じ気道の上か下に位置するだけですから、鼻炎と喘息を併発しても、移行しても、不思議はありません。あまり知られていませんが、洗剤や柔軟剤が引き起こす気道疾患は、気づかれないまま長期化しやすいのでご紹介します。

日本の鼻炎患者は増えている

日本の鼻炎患者(有病率(%))

図の棒グラフを見ても分かるように、この10年間に年間を通じてアレルギー性鼻炎の患者は増えています(*1)が、アレルギー性鼻炎の患者は健常者の3倍喘息も発症しやすいです。 原因として、取りざたされやすいのは花粉症ですが、見てわかるように花粉以外の人にも増えていますね。

鼻炎の発症を助長する糖分の取り過ぎ

以前お伝えしたように、糖質の取り過ぎの方にはアレルギー性鼻炎が起きやすくなっています。

よい香りのする洗剤や柔軟剤に含まれる化学物質過敏症成分イソシアネート(*2)

イソシアネートは、ガス化しやすく数々の工業製品のほか柔軟剤の香りのカプセルにも使われていて、ごく微量でもアレルギーを引き起こし、一旦発症すると量に関わらず症状が出るようになる強毒のアレルギー物質と言われています。

洗濯のすすぎの時に投入された柔軟剤の香料カプセルは、繊維に付着し、付着出来なかった大半は排水で下水に流れ、下水処理場で浄化出来ずに海へ流れて行きます。そしてこれらの香料は生物に食べられ、食物連鎖を通して我々の口に入ることになります。現実に、海産物から香料成分が検出され始めています。

正常な発育を抑える子供たちへのステロイド使用(*3)

柔軟剤で誘発された鼻炎や喘息症状には、症状がひどい場合にはステロイドホルモンの入った点鼻薬や吸入薬、
時に内服薬が使われます。長期にわたるステロイド剤の使用は、7割以上の確率で身長が低くなるなどの成長障害を引き起こしています。

まず必要なことは悪化原因を取り除くこと

何が原因なのか自分たちでも考えないと、いつまでも薬が途切れない生活になりかねませんし、薬は体に負担になります。薬を使用して症状が治まっている間に、原因を探していきませんか?
笠原健招堂薬局は、健康を維持したい方、健康に戻りたい方を応援しています。ご相談ください。 TOMOKO


(*1)鼻アレルギーの全国疫学調査2008(1998年との比較)―耳鼻咽喉科医およびその家族を対象として―
馬場廣太郎1), 2), 中江公裕1)

1)獨協医科大学, 2)有限責任中間法人関記念会「獨協メディカル倶楽部」
PROGRESS IN MEDICINE 28(8): 2001-2012, 2008.


(*2)健康を守るために知ろう「イソシアネート」(5年前の常識では もう生きられない)
NPO・VOC研(化学物質による大気汚染から健康を守る会)
http://www7b.biglobe.ne.jp/~vocgeca/isoshia%20kaisetukokuminnkaigi22.html

薬物・化学物質による過敏性肺炎 (特集 薬物アレルギーをめぐって)
井上 幸久 , 宮崎 泰成 , 稲瀬 直彦
アレルギー・免疫 25(5), 676-683, 2018-05


(*3)ステロイド剤投与で誘発される成長障害に対する医薬
https://patents.google.com/patent/WO2015129812A1
https://patentimages.storage.googleapis.com/05/0f/67/489515149c8f69/WO2015129812A1.pdf


ステロイド療法が小児の成長に与える影響について 後藤 正博, 長谷川 行洋 日本小児アレルギー学会誌 / 28 巻 (2014) 5 号 /書誌
p.829-834
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspaci/28/5/28_829/_article/-char/ja/
DOI https://doi.org/10.3388/jspaci.28.829

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