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【第2章】紅参で血管も血液も若返る

【第2章】紅参で血管も血液も若返る

本稿は、当時松山赤十字病院名誉院長 医学博士 桑島恵一先生著「難病には高麗人参!『紅参健康法』●五臓六腑に効く」から書き写ししております。桑島先生は、当時二重盲検法をつかって紅参の効果を検証しておられます。

全身の血行がよくなる、血栓も防止する

松山赤十字病院の紅参研究グループでは、最初の臨床研究によって、頭痛、肩こり、立ちくらみ、手足の冷えなどに対する紅参の有効性を明らかにしました。これらの症状は、体の局所の血液循環不全を思わせるものばかりです。そこで私どもは、紅参の血行改善作用について、確かめてみることにしました。

 

若い健康な男女に正官庄紅参の粉末3~4,5gを一度に飲んでもらい、指尖容積脈波計という装置で指先の脈波を投与の前後に測定して比較したのです。その結果、末梢血管(手足などの血管)の拡張と血流量の増加、心臓からの拍出量の増加がわかり、紅参の末梢血管の循環改善作用、心臓機能の改善作用が明らかになりました。

 

一般に、漢方系の薬は長く飲まないと効果が出ないと信じられていますが、この血液循環改善作用の実験は、
紅参投与の前後で脈波等を測定したものです。紅参には、こういう即効性もあることを述べておきたいと思います。

 

なお、松山赤十字病院の紅参研究グループでは、中西幸三先生らが中心になって、紅参の血栓(血液のかたまり)を防ぐ効果も証明しております。血栓は血管につまって脳梗塞、心筋梗塞を起こすきわめて危険な存在で、西洋医学でも血栓予防剤は、脳梗塞、心筋梗塞の再発防止などに繁用されています。紅参は効果は穏やかながら、副作用のない血栓予防剤であり、生活習慣病の予防に有効です。

 

コレステロールを減らし善玉を増やす

コレステロールに善玉と悪玉菌があることは、よく知られております。ですから、トータルのコレステロール値が低いだけでなく、善玉コレステロールが多いほうが、動脈硬化になりにくいわけです。

 

総コレステロール値から善玉コレステロール値を引いた数値を、善玉の数値で割った数値が動脈硬化指数で(標準値3以下)、これが小さいほど動脈硬化のが進みにくいとされています。

日生病院の山本昌弘院長らは、高コレステロール血症の患者さん67名に正官庄紅参を長期間投与し、コレステロール値の変化を調べました。それによると、総コレステロール値は服用前の平均256ミリで、服用1~2ヵ月で下がりはじめ、3ヵ月後には平均226ミリ、1年後には211ミリになっています。善玉コレステロールは、服用前が平均42ミリ、1年後には47ミリ、つまり紅参には、総コレステロール値を下げ、善玉コレステロールを増やす働きのあることがわかったのです。

 

千葉大学第二内科の研究では、成人男子6名に朝、高脂肪食を食べてもらい、1時間おきに血液中の脂質を測ったところ、高脂肪食と同時に紅参を服用した場合は、高脂肪食だけの場合に比べてコレステロールの増え方が少なかったそうです。この結果から、紅参には腸からのコレステロールの吸収を阻害する働きがあると考えられています。

毛細血管の血行をよくする紅参独自の薬効の秘密

人の血管の中には、およそ25兆個の赤血球が猛スピードで走り回っています。このおびただしい数の赤血球の大切な役目は、酸素を全身の細胞に配送し、代わりに炭酸ガスを持ち帰ることです。

 

毛細血管にはほかの血管と違って、壁が薄く物質の分子の出入りできる隙間があり、赤血球はその隙間を通してまわりの細胞と酸素や炭酸ガスのやり取りをするのです。だから、血液循環で最も肝心なのは、毛細血管の中を、赤血球が順調に流れるようにしてやることです。

 

ところで、ここに問題が一つ。毛細血管の内径3ミクロン(1ミクロンは1ミリの1000分の1)に対して、赤血球の直径は7~8ミクロン。つまり、毛細血管の内径より、赤血球のほうが大きいのです。当然、そのままの形では、赤血球は毛細血管を通過できません。

 

そこで赤血球は、砲弾型に形を変えて、吸い込まれるように毛細血管をくぐり抜けていきます。しかし、病気や老化で赤血球が固くなると、毛細血管の血液の流れがわるくなり、体の末端まで十分に血液が行き渡らなくなります。紅参には、赤血球をやわらかくする働きがあります。これは、ビタミンEにもない効果です。

 

国立循環器病センターや大阪市立大学産婦人科では、実際に脳卒中後遺症や更年期障害の患者さんの血液を調べて、固くなっている赤血球が紅参の服用でやわらかくなることによって血行がよくなり、同時に病状が改善されることを確かめています。

高い血圧は下げ、低い血圧は上げる

高麗人参は血圧を上げるから、高血圧の人は飲めないと一般に思われています。しかし、これは学問的に見て根拠のある話ではありません。質のいい高麗人参を飲むと、体が温まり顔の血色もよくなるので、血圧が上がったような気がするのではないでしょうか。

 

少なくとも、紅参は高血圧の人が飲んでも悪影響はありません。紅参には血管拡張作用があり、脳を鎮静化する作用があるので、むしろ降圧効果を期待してもいいのです。

 

松山赤十字病院では、金子仁博士(当時、現金子循環器科内科院長)が中心になって、健康な成人男女に紅参を投与し血圧の変動を調べたところ、投与後30分で最高血圧、最低血圧、平均血圧ともに下降し、1時間後には元に戻ったものの、投与前に比べてやや低い状態が持続することを確認しています。
 

また、大阪の日生病院の山本昌弘院長まとめた調査では、全国の13の医療機関で正官庄紅参を服用している316名を対象にし、高血圧、正常血圧、低血圧の3グループに分け血圧の変動を調べたところ、高血圧の場合は血圧が下がる、あるいは不変という人が多く、正常血圧では不変の人が多く、低血圧では血圧が上がる、あるいは不変の人が多いという結果だったそうです。

 

要するに、紅参は高い血圧は下げ、正常な血圧は変えず、低い血圧は上げるという傾向を示したということです。

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