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ぐるぐるフワフワ、めまいで悩む方へ!気になる原因と改善法について

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「急にめまいがして…」と座り込んだり、横になってしまった経験はありませんか。
ストレス社会の現代では、めまいに悩む方が多いそうです。もし、突然の「めまい」の症状に襲われた時、なにが原因だと考えますか?めまいと一言で言っても、症状の現れ方や原因は様々です。そこで、めまいの種類と特徴を踏まえたうえで、漢方薬を中心に対処方法をお伝えします。

Contents

めまいとは?

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「めまい」は、視覚や平衡感覚になにかしらの障害が起きることで発生する現象です。自分の意志とは関係なく、視野が乱れたり、体のバランスを維持できなくなったりします。実際には様々な症状が含まれます。自分やまわりがぐるぐる回る、ふわふわしている、気が遠くなりそうな感じ、眼前暗黒感、物が二重に見える、不安感、動悸、吐き気などがあります。症状そのものには、個人差があり、原因も人によって大きく変わります。

めまいの種類


めまいの種類は、大きく3種類に分けられます。回転性のめまい、浮動性のめまい、その他に立ちくらみを伴うめまいなどがあります。それぞれのめまいには、以下のような特徴があります。

回転性めまい

・自分もしくは周囲がグルグル回るように感じます。布団から起きようとすると、世の中がぐるぐる回るようで、吐き気もして起き上がれず、這うようにしてトイレまで行き、便器をかかえて嘔吐する。起きてしばらく静かにしていると、少し落ち着きます。
・吐き気や嘔吐、耳鳴り、難聴を伴うことが多いです。
・台風や雨雪の降るときに悪化する方もありますが
・漢方的には、水分代謝異常や胃内停水のある方に多く、生活圏の環境や、生活習慣によって悪化と改善を繰り返しやすいです。
他にも耳の病気、脳の病気が原因のこともあるので、続く場合は精査が必要です。
・一定期間だけ続き、短時間でおさまりますが、何度も繰り返す場合があります。

浮動性めまい

・フワフワとふらつき、車酔いのように感じます
吐き気や嘔吐、頭痛を伴うことがあります。
・高ストレス下、高血圧、不整脈、空腹のときに起きることがありますが、脳の病気が原因の場合もあり、継続する場合には循環器科、代謝内科、脳外科等の受診をおすすめします。
・回転性めまいのように、一定期間続いた後、完全に消える場合もありますが、何か月、何年も続く場合もあります
・高齢者にも多く見られます

その他

・立ちくらみ
・クラっとする
・貧血
・低血糖発作
・突然目の前が暗くなり、意識が遠くなるような感覚がある
・ひどい場合は意識を失うこともある

めまいの原因

めまいには、それぞれ原因があります。めまいがした場合、吐き気や冷や汗などの症状がでるかと思いますが、焦らず、深呼吸して安静でいましょう。

耳の異常や病気によるもの

耳が原因となって起こるめまいは、回転性めまいに分類されます。

良性発作性頭位めまい症

めまいで最も多い疾患が良性発作性頭位めまい症です。耳の感染症や頭や耳のけがなどなんらかの理由で剥がれ落ちた耳石が、半規管に入り動くことで、半規管を刺激してめまいが起きます。起床時や寝返りを打った時、頭の位置を変えた時にめまいがします。
このめまいは、中高年以降の女性に多いのが特徴です。加齢やホルモンの低下によって、耳石がはがれやすくなると考えられています。

メ二エール病

内耳にリンパ液が増えてむくみが起こることによって引き起こされます。日常生活に支障をきたすほどのめまいで、30~40代の女性に多いのが特徴です。めまいや吐き気の他、耳鳴りや難聴を伴います。疲労やストレスが蓄積されると再発しやすいです。

前庭神経炎

前庭神経炎の原因は、おそらくウイルスやアレルギー反応が関係していると考えらえています。激しいめまいがするのが特徴です。

突発性難聴

ウイルスの感染や内耳の血流障害が原因として考えられますが、明確ではありません。突然発症する高度難聴で、40~60代の中高年に多いのが特徴です。めまいや耳鳴り、耳閉塞感を伴います。高ストレス下になる方に多いです。

脳障害によるもの

脳血管障害(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)や脳腫瘍が原因になります。めまいの他に、吐き気や嘔吐、頭痛を伴うことがあります。主に浮動性めまいに分類されますが、障害される部位によって回転性めまいの場合もあります。脳血管障害によるめまいは、非常に危険なため、すぐに医療機関での受診をお勧めします。

ストレス・自律神経の乱れ

過労や精神的なストレスが原因で自律神経が乱れ、めまいが起こることもあります。

女性のホルモンバランスによる乱れ

女性は、ホルモンバランスの乱れによる自律神経の乱れによってめまいを起こしやすいです。月経による出血により、ヘモグロビンが減少し、貧血を起こしやすい状態になります。PMSや更年期障害の場合、ホルモンバランスの変化が原因で、自律神経の機能が乱れることもあります。

薬によるもの

服用している薬の影響でめまいが引き起こされる原因になることもあります。聴器毒性のある薬は、たくさんあります。薬を服用した量や使用期間などの要因によって、発症するかは左右されます。

その他

起立性調節障害や不整脈、栄養不良や貧血などがきっかけで、発症します。朝になかなか起きることが出来ず、全身の倦怠感や頭痛、立ちくらみなどの症状があります。緊張性頭痛や頚椎椎間板ヘルニアなど首が原因となるものもあります。また、気付かぬ低血糖発作の場合もあります。

めまいの対処法と治療


めまいへの対処法として、薬物療法と生活習慣の予防があります。薬物療法では、東洋医学の考え方に加えて、西洋医学の漢方薬も使用されることが多いようです。では、それぞれの対処法について説明します。

めまいを和らげる薬として、症状によって処方されます。

抗めまい薬

内耳障害によって起こるめまいには、抗めまい薬を利用します。脳や内耳の血液や内リンパの流れをよくする、首から脳への血流量を増やす、平衡感覚に関わる神経の働きを調整するなどの作用を使って、めまいの軽減に期待します。

内耳循環改善薬

内耳の血管を広げて血流をよくする内耳循環改善薬は、メニエール病の治療で利用されています。

抗ヒスタミン薬

吐き気、嘔吐を伴うめまいには、抗ヒスタミン薬を用いて、吐き気や嘔吐を抑制します。

抗不安薬、抗うつ薬

不安が強い人には、抗不安薬を、うつ傾向のある人には、抗うつ薬が処方されることがあります。心の不調が原因の場合、抗不安薬や抗うつ薬を使うことで、めまいの緩和や精神的なものからくる症状の緩和につながります。

薬局で売られている市販薬でも、吐き気や嘔吐を伴うめまいに対して、症状の緩和になる可能性があります。

漢方

漢方には、不調を整えるだけでなく、体質改善に期待できるため、漢方を処方されることもあります。同じめまいであっても、体質の違いで薬の内容が変わることが漢方の特徴です。
大きく分けて、水分代謝異常によるものと、ストレス性のものがあります。

〇水分代謝異常によるもの
イメージとして、ペットボトルに入った水を思い浮かべてみて下さいますか?フタに近い上部の空間に水は入っていません。このペットボトルを横に倒すと、フタに近い部分にも
水が入ります。もう一度、ペットボトルを起こして、立ててみて下さい。水が揺れて、めまいになります。
この水分代謝異常に対する漢方薬には、次のようなものがあります。

苓桂朮甘湯

立ちくらみのような浮動感や耳鳴りのような耳の症状を伴うめまいに用います。
胃もたれしやすく、涙目や、よだれ、鼻水、口内炎になりやすい方があります。

沢瀉湯

メニエール病などの回転性のめまいに用います。

真武湯

浮動感があるめまいの他、足元が冷えやすく、冷えから来る腹痛、下痢、動悸などの症状がある場合に用います。

半夏白朮天麻湯

胃腸障害や胃下垂、胃アトニーなどのある体質のめまいに用います。
荒天や雨天の日に悪化しやすい方が多いです。
寝ていた時に下にしていた方が痛む頭痛、頭重感、起床時の吐き気や嘔吐、手足の冷えがあって、軟便や下痢する方のめまいに用います。

五苓散料

代表的な利水剤で天候に関係するめまいに用います。吐くときは,バシャッと水を吐くような嘔吐になります。

〇ストレスによるもの
現代社会の高ストレスによって増えています。

加味逍遙散

・月経不順、生理痛、PMSの改善、冷え性、のぼせ、肩こり、めまい、頭痛、片頭痛、不眠症、倦怠感、イライラや抑うつの改善に使われます。
・めまいは、ストレスがかかった時に、陽炎(かげろう)が立ち上るようなめまいを訴える方が多く見られます。
・更年期障害や不定愁訴の改善にも使われ、ホルモンバランスを調整するとも言われ
ています。
・一般的に女性用の漢方のイメージがありますが、高ストレス社会の中で男性も利用します。耳閉感をともなう難聴や頭の中で音が響き渡るような難聴の方にも使います。
・一気に仕事を済ますような仕事人の方に多いです。

釣藤散

後頭部痛や肩こり、高血圧をともなうようなめまいに使います。

桃核承気湯

・月経不順、生理痛の改善
・高血圧に伴う頭痛、めまい、肩こりの改善
・腰痛、便秘の改善
・生理中や産後の精神不安を緩和

体力があるガッチリしたタイプや肥満体質、顔色が良くのぼせ気味の女性向けへの漢方薬で、生理不順や便秘などに用います。生理で悩む女性特有の症状の緩和や、これらの症状を伴う子宮の病気にも用いられます。貧血や虚弱な体質の方には向きません。

補中益気湯

・胃腸の働きを改善
・体力を回復させ、元気にさせます
・体の疲れ、寝汗、食欲不振、胃弱、長引く風邪の回復に使用します。

体力が弱っているときに使い、胃腸の働きをよくして、元気にする漢方薬です。

生活習慣の振り返り

繰り返し起こるめまいの中には、生活習慣に起因するものがあります。例えば、偏食の方の貧血、欠食、過度のストレスや労働、喫煙、睡眠不足、水分のとり過ぎによるもの等、日頃の生活習慣を整えるだけで改善する場合もあります。日常生活を振り返り、リラックス時間を作って生活のリズムをつくる工夫をしてみましょう。

まとめ

体調不良はからだのSOSと言われています。めまいも、体調不良のからだの表現のひとつです。
日頃の生活習慣を振り返り、原因となる行動に心当たりがある場合は、まず生活習慣の改善が必要ですが、中には大きな病気の表現の場合もありますから、軽いめまいであっても頻繁に起こるようなら、見過ごさずに受診しましょう。
漢方薬は、比較的安全に服用できる薬ですが、系統だった問診が必要です。
笠原健招堂薬局では体調を確認した上で対応しています。ご相談ください。

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