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【掌蹠膿疱症】手のひら、足の裏、かゆい水疱とその後の皮むけに困っていませんか?

掌蹠膿疱症

手のひらや足の裏にかゆみをともなう水泡(水ぶくれ)ができ、その後皮むけをともなうひどい肌荒れを繰り返して困っていませんか?皮膚科で掌蹠膿疱症の診断を受けても、改善できないまま通院を繰り返している方を見ます。
掌蹠膿疱症は、現状明確な原因は解明されていませんが、当店では皮膚免疫と微量栄養素に着目した簡単な方法で成果を上げています。
掌蹠膿疱症の実態とお手入れ法についてお話します。

Contents

手のひらや足の裏に水疱が出てかゆくないですか?
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは

掌蹠膿疱症は、手のひら(手掌・しゅしょう)や足の裏(足蹠・そくせき)に、うみを持った小さな水疱(膿疱・のうほう)が繰り返しできる慢性の皮膚疾患です。

最初は小さい水泡ができて、徐々に化膿していき、黄色い膿疱に変わって、その後乾燥してはがれ落ちます。

しかしこれで治るわけではなく、すぐに再発し慢性化をたどるにつれ皮膚が赤黒くなり、角質も増殖して激しい痒みや、時には皮膚がひび割れて痛みを伴うこともあります。

水疱(膿疱・のうほう)は、連続的に出てくる場合と、良くなったり悪くなったり周期的に繰り返す場合があります。また、体の他の場所、膝や肘に赤みができたり(掌蹠外皮疹)、爪が変形したり、胸骨(きょうこつ)や鎖骨(さこつ)等が痛くなることもあります。

この水疱や膿疱(のうほう)は一種のアレルギー反応によって白血球が集まったものと考えられ、細菌は無く、体の他の部位や他人にうつったりすることはありません。

ただ、剥がれ落ちた後、ひび割れを伴ったひどい肌荒れで悩む方があります。

ほかにも手のひらや足の裏に水疱が出来る病気に、こんなものがあります

手のひらや足の裏に水泡ができる病気はさまざまあります。
掌蹠膿疱症と症状が似ているため、自己判断して症状を悪化させる人も多いので注意が必要です。

.水虫

水虫は、白癬(はくせん)と呼ばれる感染症で足に生じたことから足白癬(あしはくせん)と呼ばれます。白癬は、皮膚の角質に白癬菌(はくせくきん)というカビの一種が侵入して起こります。
 
診断をはっきりさせるためには皮膚科の受診が必要です。外来で顕微鏡検査をしてくれます。皮膚表面の角層を一部取り、顕微鏡で調べて、水虫を起こすカビ(白癬菌)がいるかどうか調べないと、見た目だけでは掌蹠膿疱症との区別はつきにくいです。

汗疱(かんぽう)

 汗疱(かんぽう)とは、手指の側面や手のひら、足の裏などに2~5mmほどの小さい水疱や皮むけが突然生じる慢性の皮膚炎です。夏場に訴える方を多く見ます。
 最初は小さな水疱ですが、そのままにしていると2~3個水疱が集まり大きな水疱になります。
 最終的には赤くなってジクジクし、うろこ状の皮むけが起こります。
 水虫と似ているため、水虫を起こすカビ(白癬菌)がいないか調べます。

接触性皮膚炎

ある物質が皮膚に触れることによる刺激や、アレルギー反応からかゆみ・赤みのある炎症が現れます。原因となる物質が触れた部分に赤みが現れ、症状が強くなると腫れや小さな水疱が現れます。

掌蹠膿疱症の原因にはどんなものがあるのでしょう?

発症に深くかかわっていて引き金となると言われている要因には次のようなものがありま 
す。それらの要因を取り除くことで、症状の軽減や、治療効果が上がりやすくなると言われています。

病巣感染

扁桃炎、副鼻腔炎、虫歯、歯周病など一部の慢性的な感染症が発症に関わっていることが知られており、扁桃の摘出手術や歯科治療をすると症状が改善することがあります。

金属アレルギー

関与は少ないとされていますが、金属アレルギーも要因の一つです。
金属アレルギーには、金属が直接肌に触れた部位に起こる「接触皮膚炎」と、金属の成
分が粘膜や消化器官を経由して全身に起こる「全身性金属皮膚炎」の2種類があります。掌蹠膿疱症は「全身性金属皮膚炎」に含まれます。

喫煙

掌蹠膿疱症の85%以上が喫煙者で、ヘビースモーカーが多いことがわかっています。現在喫煙している場合と、喫煙歴がまったくない場合に比べて掌蹠膿疱症の発症リスクは74倍も高くなります。また、喫煙歴がない患者では掌蹠膿疱症を発症したとしても症状は軽いこと、禁煙すると症状が良くなることがわかっています。

実はよく分かっていません。

掌蹠膿疱症の原因は、現在のところ西洋学的には全ては解明されていません。

掌蹠膿疱症の治療法

西洋医学的治療

西洋医学的治療は、炎症をおさえるための対症療法が主になります。
    

外用薬の塗布

かゆみが強かったり、新しい皮疹がたくさん出る場合は強いステロイド軟膏を使用し、
良くなってきたら弱いステロイド軟膏や活性型ビタミンD3軟膏に変更します。

紫外線療法

外用薬で効果の上がりにくい場合は「ナローバンドUVB」「ヘキシマライト」による紫
外線療法を行います。週2回の照射頻度が推奨されています。

ビオチンの内服・注射

掌蹠膿疱症の原因の一つとしてビオチンの欠乏が考えられています。
血中ビオチン値が上昇するようビオチンの内服・注射を行います。ビオチンは別名ビタミンHと言われ、服用しても特別な副作用はありません。
ただ、効果を実感するには一般的に6か月から1年くらいはかかります。
※ビオチン内服・注射の治療を受けているときは、生卵の白身は避け、卵は加熱して食べましょう。

ビタミンA剤(チガソン)の内服

外用療法のみでは改善に乏しい場合にエトレチナート(チガソン®)の内服薬を併用します。
チガソン(エトレチナート)はビタミンA類似構造を持つ角化症治療剤です。
服用に当たっては、妊娠時に奇形を生じることがあるため、服用中は避妊が
必要です。内服中止後にも、女性で2年間、男性で半年間の避妊が必要です。

漢方治療

漢方治療の考え方について

掌蹠膿疱症は、自己免疫疾患と呼ばれる慢性疾患の一つです。
   
自己免疫疾患とは、身体の中の免疫システムが何らかの原因により自己と非自己の区別がつかなくなり、
本来は身体を守るべき免疫細胞が正常な細胞や組織を攻撃して、
さまざまな症状が引き起こされる疾患のことをいいます。

漢方治療では原因が特定できず慢性化して治りにくい疾患や免疫の異常を、
その人のもつ体の性質を知り自然治癒力を高め、根本から症状を改善していくことを目指します。

漢方イメージ

漢方では、各々の慢性化して治りにくい疾患は、五臓のうちのそれぞれが関わり合う臓器の相互の関係から改善方法をひも解いていきます。
また、皮膚は五行の中で「肺」に属します。
掌蹠膿疱症の漢方治療は、出ている症状を抑える対症療法と症状の悪化と再発を防ぐ根本治療の両面から考えていく事になります。

漢方イメージ

掌蹠膿疱症に処方される漢方薬

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない方で鼻出血、
不眠症、神経症、胃炎、二日酔い、血の道症、めまい、動悸、更年期障害、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ、口内炎のある方に使われます。
かゆみを伴って皮膚が赤く、ときに色のついた汁が出るタイプの方に向きます。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状ときに便秘の傾向のある方で、冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症、不眠症の方に使われます。

桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)

体力が衰えている方の寝あせ、あせも、湿疹のある方に使われます。

小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)

咽喉がはれて痛む方、扁桃炎、扁桃周囲炎のある方に使われます。

三物黄芩湯(さんもつおうごんとう)

手足のほてりがある方に使われます。

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、じんましん、急性湿疹、水虫のある方に使われ
ます。

白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)

比較的体力がある方で、湿疹・皮膚炎や皮膚のかゆみがある場合に適します。のどの渇
きやほてりのある方にも使われます。

竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

比較的体力があり、下腹部筋肉が緊張する傾向がある方の排尿痛、残尿感、尿の濁り、
こしけ(おりもの)のある方に使われます。

独蔘湯(どくじんとう)

紅蔘(コウジン)を単味で使う方法です。紅参は、帰経が「肺」「脾(胃)」で、五行の「肺」の弱りから生じる皮膚疾患に用います。ほぼ人を選ばない漢方で、高価な薬ですが、他の方法で改善の悪い方の砦となっています。紅参(コウジン)に関しては、「紅蔘(コウジン)について」をご覧ください。
    

病院での治療や漢方治療と平行して行いたい栄養素補充療法

   病院での保険診療では出来ない方法なのであまり知られていませんが、病院の処方薬と
平行して、また漢方薬と併用して進めても経過が良いのが、この方法です。
人間の体は食べ物から摂る栄養でつくられており、その栄養の不足が様々な体の不調や
疾病の原因となります。

栄養素補充療法とは、食事の改善と栄養素(サプリメント)を用いて不足している栄養
素を補い、理想的な栄養状態にする方法です。自らの自然治癒力や免疫力を高め、症状を
改善し、病気の進行を抑え、さらには病気の予防を目的とする治療法です。

掌蹠膿疱症は、ビオチンの不足が原因の一つと考えられ、ビオチンの内服や注射で補う治
療法は行われていますが、最近の研究では亜鉛の欠乏が原因※であることもわかっていま
す。
※亜鉛基礎研究の最前線と亜鉛欠乏症の臨床
https://www.jstage.jst.go.jp/article/brte/21/1/21_1/_pdf

他にも、皮膚免疫を強化する意味で、エキスを含んだ天然栄養素剤で大変良好な改善をみています。からだに出ている症状は、単独の栄養素の不足のみで起きているとは考えにくく。微細な栄養素を多種類含む天然の栄養素剤をおススメしています。飲むだけなので簡単ですし、皮膚疾患と言えども全身性の免疫反応ですから、やはり必要な微量栄養素の補充摂取は重要と考えています。

下の図の中ほどに描かれているランゲルハンス細胞は、樹状突起をもつアメーバのような細胞です。皮膚は、角質層の緻密な構造のおかげで、健康な皮膚では細菌やウィルスが体内に入って来る事はありません。

ところが、いったん皮膚に傷がつくと、その小さな傷口からも微生物が侵入して来ます。そこで、皮膚にはいち早く異物侵入をキャッチし、防御体制をとるための免疫機関としての役割を持っています。皮膚のランゲルハンス細胞は、皮膚の角質層の下で樹状突起と呼ばれる樹枝状の形をした突起をバリアのように大きく広げ、皮膚の表面をくまなく覆って皮膚からの異物侵入をとらえて全身的な免疫反応を発動させます。
このエキスを含んだ天然栄養剤は、糖鎖を多く含み、細胞の働きを正常化させると言われていて、皮膚が一替わりするペースで改善していきます。

 図(皮膚の構造―カラー図解「人体の正常構造と機能(日本医事新潮社)」

イメージ

栄養素補充療法は、より健康な状態を目指す根本的な療法で、薬の効果を高め、副作用をやわらげるものです。基本として取り入れることをおすすめします。

スキンケア

掌蹠膿疱症のスキンケア(お手入れ)方法をお伝えします。
乾燥と刺激が症状を悪化させる原因にもなりますので、皮膚表面のバリアとなる塗り方を心掛けましょう。
ベタベタなまだら塗りは、おススメできません。

水疱、膿疱、皮むけなど症状があり、病院から処方された軟膏類を縫っている場合は、皮膚に残った薬剤を石鹸できれいに洗い流した上で、新たに塗りましょう。軟膏の酸化した油は皮膚を刺激します。

ステロイド軟こうは、部分的な一時的炎症は治めますが、血管収縮の度合いによって強弱がつけられる薬剤ですから、血流が低下すると皮膚の新陳代謝を遅らせます。対症療法を繰り返していても根本解決になっているようには見えません。
また、ステロイド剤は免疫抑制剤です。皮膚免疫が低下して起きている症状に向くようにも思えません。

天然のヒアルロン酸を使ったクリームが効果を上げています。使用した当日から改善効果を実感できます。塗り方は簡単なので、店頭もしくはお求めの際に直接お教えいたします。

皮膚が硬くなって割れたり皮がむけたりしますが、上記のような理由で、皮膚のバリア機能が落ちていますから、無理にかさぶたや皮膚をめくらないようにしましょう。

掌蹠膿疱症にお悩みの方へ

掌蹠膿疱症についてお伝えしてきました。
原因不明の自己免疫疾患とされている掌蹠膿疱症の治療は、
自然治癒力を高め、根本から症状を改善していく栄養素補充療法がおすすめです。

病院での治療を続けているのに、繰り返してなかなか治らない場合は、ご相談ください。
笠原健招堂薬局は、健康を維持したい方、健康に戻りたい方を応援しています。
  

笠原健招堂薬局では体調を確認した上で対応しています。

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