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夜間頻尿にお困りではないですか?

夜間頻尿のイメージ

皆様は、夜寝てから朝起きるまで、トイレに行きたくて起きてしまうことはありませんか?

『昨晩、飲みすぎたかな?』
『気温が寒くなってきたからかな?』

など、さまざまな理由は考えられますが、※1高血圧など深刻な疾患が潜んでいる場合もあります。
中々、人にも話しづらかったりして、気づいた時には症状も悪化していることも少なくありません。

そもそも
『夜間頻尿ってなに?』
『夜間頻尿の原因は?』
『治し方は?』

など、原因や治し方についての疑問点を以下でご案内したいと思います。

※1参考 夜間便尿診療ガイドライン (P59)  より

夜間頻尿とは

夜間頻尿とは、昼間は問題がなくても、排尿のために夜間に何度も起きてしまう症状のことを言います。具体的には、寝ようと思って床に入り、目覚めてから床を出るまで間の排尿回数を対象として判断されます。
1回以上起きることでそう呼ばれますが、問題視されているのは2回以上の排尿です。※2

※2 参考 『夜間頻尿について とうのう症例検討会』 より
 https://kani.jcho.go.jp/wp-content/uploads/2019/09/yakanhinnyou.pdf

夜間頻尿の原因とは

夜間頻尿の原因は一つに限らず、判断をするにも多方面から確認する必要があります。原因として考えられることとしては、以下があげられます。思い当たる箇所がないか確認してみましょう。

夜間多尿

膀胱が尿を溜められるのにもかかわらず夜間に腎臓から生成される尿量が多いために夜間に何回もトイレに行く場合は、夜間多尿が疑われます。 

夜間多尿の原因としては、

・飲水過剰(水分のとり過ぎ)
・糖尿病
・高血圧
・うっ血性心不全
・服薬中の薬の副作用

など、水分のとり過ぎや、お酒を飲むことにより尿の量が増えただけの場合や、上に示した糖尿病や高血圧などの病気が潜んでいる場合もあります。

尿量の目安としては、1日の尿量が40ml/kg(体重)を超える場合(例えば60kgの体重の人は40ml/kg x 60kg =2,400ml)がこれに当たります。1日24時間の尿量が多くなるために、夜間トイレに何度も起きるものです。65歳以上の方においては、24時間の尿量に対する夜間尿量の割合が33%(3分の1)を超える場合は、夜間頻尿と考えられます。※3

※3 日本泌尿器科学会  https://www.urol.or.jp/public/symptom/03.htmlより抜粋

加齢による夜間多尿

加齢と言ってしまうと身もふたもないように思えますが、意外と漢方で解決がつく場合があるので、がっかりしないでください。加齢とともに、体中のいろんなホルモンの分泌が落ちるのです。
本来、夜眠っている間には『抗利尿ホルモン』と言って、排尿を抑えるホルモンが分泌されて、尿を作る量が制限されます。すると、夜眠っている間は排尿をしなくてすむため、安眠することができます。しかし、加齢に伴って抗利尿ホルモンの分泌量が減ると、寝ている間にもたくさんの尿が作られてしまうため、排尿せざるを得なくて起きる回数が増えてしまうのです。先の2-1で示したように、夜間尿量が1日の尿量の33%以上ならば、夜間多尿が原因だと考えられます。

膀胱蓄尿障害

膀胱に十分に尿をためられない状態をいいます。

・過活動膀胱
・女性ホルモンの低下
・前立腺肥大症などによる閉塞膀胱

などが原因となり引き起こされる場合があります。
女性の場合は、更年期のエストロゲン減少により、尿道周辺の組織の萎縮から知覚過敏となり頻尿を引き起こします。 ※4
男性の場合は、前立腺肥大症により、膀胱内に尿を溜めておく容量が少なくなることなども夜間頻尿の原因となります。

※4 『頻尿の原因』P16
https://takanawa.jcho.go.jp/wp-content/uploads/2021/01/9-1_ishihara_light.pdf

睡眠障害

目が覚めてしまうから、尿意を催してしまうものです。眼が覚めなきゃ、そのまま朝まで眠れるのに・・・。眼が覚める理由としては、次のようなことが考えられます。

・運動不足による睡眠障害
・睡眠時無呼吸症候群
・精神疾患
・服薬中の薬の副作用
・加齢による睡眠障害

など、各疾患による場合や加齢によるものまで、睡眠障害の原因はさまざまですが、
睡眠障害と夜間頻尿との関わりは大きいです。

特に高齢者は睡眠が浅く、膀胱容量が低下していると、膀胱内圧が少し上がっただけで、尿意を生じやすくなります。70歳以上の20-30%が夜間排尿回数3回以上と報告されており、夜間の頻回な尿意は、ご本人や介護者の生活の質(QOL)を低下させます。お困りの場合や治療を希望している場合は受診や精査が必要です。※5

※5 『夜間頻尿について』
https://kani.jcho.go.jp/wp-content/uploads/2019/09/yakanhinnyou.pdf

筋力低下による残尿

膀胱(ぼうこう)は筋肉でできていますし、排尿する際に膀胱周辺の筋肉も使います。加齢や運動不足によって、筋力が低下したり筋肉組織のしなやかさが失われると、膀胱があまり広がらなくなり、また収縮しにくくなります。そのため膀胱内にためられる尿の量が減るばかりか、排尿する際に全部出しきれず、膀胱内に残っていしまうため、夜間頻尿になってしまうのです。膀胱が小さくなった場合には、1回の尿量が200ml以下のことが多く、また夜間だけではなく、昼間も頻尿があらわれます。

夜間頻尿の治し方

夜間頻尿の原因はさまざまですが、糖尿病、高血圧、心疾患、腎機能障害、睡眠時無呼吸症候群などの重い疾患でない限り、改善が期待できる対応方法があります。腎臓や膀胱の問題以外にも、そもそも睡眠状態が悪いせいで、目が覚めるたびにトイレに行きたくなる方もあります。
日常生活で実践しつつ、症状が改善されない場合は医療機関や薬局にご相談ください。

生活習慣の改善できるケア


水分摂取の調整

1日の水分摂取量を確認しましょう。
食事以外での水分摂取量を体重の2〜2.5%程度を目安にしてみてください。アルコールやコーヒー、紅茶などのカフェイン入り飲料は利尿作用がある為、夕方以降の摂りすぎに注意しましょう。
(例 1日飲水量:体重50kgの方であれば1,000~1,250mL、体重60kgの方であれば1,200~1,500mL)。

食事で気をつけること

  • 水分 : 適量を心がけましょう(目安は上記に記載)
  • アルコール :晩酌は控えめに
  • カフェイン :摂取はなるべく控えめに
  • サラダ・果物 : なるべく夕方までに食べる
  • 汁物 : 塩分の高い汁物などを控える

その他、酸味の強い食品は膀胱の刺激になります。発酵食品はチラミンという成分が頻尿を促します。個体差があるため、様子を見ながら摂取してみてください。

運動

骨盤のすぐ内側にある腹斜筋を怠けさせないようにします。いわゆるインナーマッスルと言われる筋肉で、外からは服を脱いでも見えませんが、腹腔内臓器を圧迫し、腹腔内圧を高め、腰椎の安定化に係るコルセットのような筋肉です。この筋肉が働くことでスッキリ排尿できたり排尿をとめたりできます。“腹筋運動にひねりを加える”ことで鍛えることができます。
ステッパーを踏むような動作で鍛えられる筋肉も排尿コントロールに役立ちます。やってみて下さい。

運動

生活リズムを整える

睡眠不足も夜間頻尿を促してしまいます。生活習慣の見直しをし、質の良い睡眠をとるための環境整備や生活リズムを整える工夫をしましょう。

ツボを温める

頻尿の対策に、以下のツボを温める方法があります。温めるものは、灸、温膏、温めたタオルなど身近なものでやってみましょう。

病院への受診と服薬


過活動膀胱(膀胱蓄尿障害)の場合

β3 刺激薬:蓄尿を助けて安定化
抗コリン薬:膀胱の収縮を抑えて安定化 男性では前立腺に作用する

前立腺肥大症の場合

α1 遮断薬 PDE5 阻害剤:前立腺、尿道の過緊張の低下
5α 還元酵素阻害剤 抗アンドロゲン剤 :肥大腺腫の縮小
植物製剤 漢方薬 アミノ酸製剤: 炎症、むくみなど周辺症状の改善

漢方薬の使用

一般的に考えられるのは以下の処方ですが、これ以外にも腎・膀胱の対策以外に、睡眠状態を良くする方法もあります。

  • 八味地黄丸 : 前立腺肥大症の漢方治療で最も使用される。
  • 牛車腎気丸  : 夜間頻尿や尿失禁を伴う症例に処方される。
  • 十全大補湯:急激に落ちるホルモン分泌をゆるやかにする作用があります。
    腎虚の薬ではありませんが、意外と効果的です。

夜間頻尿の原因と治し方を知り、今すぐ対策を

年齢を重ねるほど、夜間頻尿のお悩みが多くなります。
夜間にトイレに行くことで、転倒も懸念され、骨折してしまうと寝たきりに繋がります。
なによりも、スッキリとした目覚めは1日を爽快にします。

笠原健招堂薬局では体調を確認した上で対応しています。

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