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男性力改善で不妊に効く漢方

男性機能

2010年には、世界中で推定4850組のカップルが不妊症でした。(Mascarenhas et al., 2012) 不妊カップルの約40%では、男性パートナーが唯一の原因であるか、不妊症の一因です。(Quick Facts About Infertility, n.d.)

 
今回ご紹介する漢方薬は、そんな問題に直面している男性の力強い救世主となるもの「紅蔘(コウジン)」です。紅参(コウジン)は高麗人参の加工法の違いからなるもの、一般的に土産物店などで出回っている白い高麗人参とは、原料植物は同じでも、加工法の違いから成分や機能は一線を画しています。

紅参は、心臓血管系、免疫系、血液凝固系、神経系など複数のシステムで多様な生理学的効果があることが知られています。中でも当店では糖尿病患者に対する効果は期待できると実感しています。現在でも日本の健康保険で使う薬として薬価収載されていますが、何にでも効果的に作用し、かつ高価なために、2000年過ぎから健康保険では使えなくなっており、自費での服用に限られてきています。

この紅参(コウジン)は、セックスパフォーマンスを高めるばかりか、精子形成に重要な働きをする事が分かっています。ひとつひとつご紹介していきましょう。

精子数を増やし運動性の改善にも

 世界中の多くの国で精子数が減少していることが話題になっています。
26,000人のフランス人を対象に行ったフランスでの研究[※1] によると、17年間継続して精子濃度が低下し、平均精子レベルは32%下がっています。
この精子数の減少にも高麗人参紅参(コウジン)は、お役に立てそうです。1977年に世界で最初に発表された日本の研究によると、ラット精巣のDNAおよびタンパク合成を刺激し精子数を増やす[※2]ことが分かっています。その後世界各地でこの研究は続けられています。
また、精子数の増加だけでなく運動性の向上にも高麗人参は役立つ[※3]ことが研究で示されており、無精子症と診断された患者に対しても運動性が有意に向上[※4]しています。

貯蔵精子の保存[※5]にも役立つ

 最近では、「旦那の精子を持って病院に行って、人工授精してもらう」とおっしゃる患者さまにしばしば来店されます。「赤ちゃんは、病院でつくる」と言うのが標準化されてきたのかと見惑うほどです。また、癌などの治療のために、精子を凍結して保存しておく方もあります。この「射精してもらって持って行く精子の保存」や「凍結保存する精子」にも高麗人参の成分が役立つことが分かっています。高麗人参エキスを入れて培養した精液では、解凍後の精子の運動性と膜の完全性が大幅に向上しています。
大きな病気の治療に向かう方々へも、希望の一つになりそうですね。

がん治療後の男性不妊の回復にも

今までがん治療を受けると、男性女性共に生殖能力に一時的ではおさまらない影響があることが知られています。がんの治療薬の中には、急速に増殖する細胞を標的とするものが多く、生殖細胞も同時に標的となってしまい回復不能な不妊症を引き起こす場合があります。
そのような中で、高麗人参ががん治療後の男性不妊の回復に応用できる可能性を示す研究結果[※6]が出ています。

治療薬の使用だけでなく、放射線治療もがんの治療の一環としてしばしば行われます。放射線治療は、癌細胞だけでなく正常細胞にも損傷を与え、副作用を引き起こす可能性があります。そのため放射線防護剤も用意されていますが、副作用として高血圧、吐き気、嘔吐など多くの副作用も引き起こします。[※7] げっ歯類のマウスの研究ですが、この放射線障害から生殖細胞が保護[※8]されているものがありました。

この他、生殖障害を引き起こす可能性のある薬物の薬物誘発精子形成障害を韓国人参(当店の高麗人参は韓国人参)が予防していたと言う報告もあります。

糖尿病患者の性機能障害の改善にも

インスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)の男性は、しばしば性機能障害に悩んでいる[※9]と言う報告があります。当店ではまず、糖尿病の改善に高麗人参の紅参(コウジン)を使いますが、その副作用として性機能障害の明らかな改善があることは前述のとおりです。

発表された研究では、げっ歯類のラットを使っていますが、2型糖尿病ラットの性欲と性的能力を改善させています。[※10]

2型糖尿病患者に対しては、毎日の服用により空腹時血糖と体重の有意な減少、HbA1cやCペプチド濃度、心理的パフォーマンス、身体活動のいずれもに改善があることが分かっています。[※11]

また、こちらはげっ歯類のラットの研究結果ですが、メタボリックシンドロームのラットの海綿体のcGMPレベルを高めることが分かっており、勃起機能の改善も示唆されています。[※12]

糖尿病やメタボリックシンドロームは現代病の一つです。糖尿病になったからと言ってあきらめていては、人口減少の一途をたどるだけです。

環境毒素の害を軽減する

環境毒素と呼ばれるダイオキシンの生殖毒性が問題とされています。環境毒素に継続的に触れることは、生殖能力の低下の原因であるとされています。過去には、アメリカのミシシッピ川のワニが、生殖器の奇形で絶滅の危機に瀕していることで話題になりました。
※内分泌かく乱物質[※13](環境ホルモン) 井口泰泉 (横浜市立大学理学部・大学院総合理学研究科教授)
※「内分泌かく乱作用を有すると疑われる」と指摘された化学物質の個別物質有害性評価書について「経済産業省」 [※14]  高麗人参には、これらの毒素に対して細胞保護効果があることが実証されており、げっ歯類ラットの実験では、ラット精巣におけるダイオキシン誘発性の毒性を減少[※15]させています。

高麗人参の成分は不妊症男性の救世主になり得るかも

 高麗人参の成分は、性ホルモンのステロイドホルモンと構造が似ています。そこで現在のところ、高麗人参の性機能と精子形成に対する効果は、ステロイド受容体の活性化の結果であろうと言われています。
アンドロゲンは、男性の性的発達とその維持に不可欠な性ステロイドで、正常な精子形成を調節します。

このアンドロゲンの受容体(AR)は、男性の生殖組織と精子に豊富にあるもの[※16]ですが、不妊症の男性では大幅に減少[※17]していることが分かっています。高麗人参の成分は、ARアゴニストであると報告されています。つまり、実際に体の中で働いている物質(リガンド)に変わって、アゴニスト(英: agonist)は、からだの中の受容体分子に働いてほぼ同じはたらきをします。不足を補ってくれるという事です。

性ホルモンに関しては、男女両性の性機能に重要な働きをするエストロゲンの受容体や、相対する働きをするプロゲステロン受容体が、ヒトの精子にもあり、男性の性機能や精子機能を調節することが分かっています。高麗人参紅参(コウジン)の成分には、これら受容体にも作用して精子の運動機能を増強する効果[※18]があることが、日本の研究で分かっています。

このようなメカニズムから、高麗人参紅参(コウジン)は、男性の勃起機能障害や精子の形成へ効果が期待されており、不妊症男性の救世主になり得ると考えています。

「利便性」と「用量」に対応するために煎じ薬の「独蔘湯(どくじんとう)」やエキスタイプ、錠剤や丸剤、ドリンク剤に至るまで多様な剤型をご用意しています。あきらめる前に、ご相談下さい。


[※1]Rolland M, Le Moal J, Wagner V, Royère D, De Mouzon J.
Decline in semen concentration and mor-phology in a sample of 26,609 men close to general population between 1989 and 2005 in France.
Hum Reprod 2013; 28:462-70; PMID :23213178; http://dx.doi.org/10.1093/humrep /des415

[※2]Yamamoto M, Kumagai A, Yamamura Y. Stimulatory effect of Panax ginseng principles on DNA and pro-tein synthesis in rat testes. Arzneimittelforschung 1977; 27:140 4 -5 ; PMID:578462
Yang WM, Park SY, Kim HM, Park EH, Park SK, Chang MS. Effects of Panax ginseng on glial cell-derived neurotrophic factor (GDNF) expression and spermatogenesis in rats. Phytother Res 2011; 25:308-11; PMID:2062598831 . Park WS, Shin DY, Kim R, Yang WM, Chang MS, Park SK. Korean ginseng induces spermatogenesis in rats through the activation of cAMP-responsive element modulator (CREM). Fertil Steril 2007; 88:1000-2; PMID :17418830; http://dx.doi.org/10.1016/j.fertnstert.2006.12.014

[※3]Salvati G, Genovesi G, Marcellini L, Paolini P, De Nuccio I, Pepe M, Re M. Effects of Panax Ginseng C.A. Meyer saponins on male fertility. Panminerva Med 1996; 38:249-54; PMID:9063034

[※4]Salvati G, Genovesi G, Marcellini L, Paolini P, De Nuccio I, Pepe M, Re M. Effects of Panax Ginseng C.A. Meyer saponins on male fertility. Panminerva Med 1996; 38:249-54; PMID:9063034

[※5]Kim DY, Hwang YJ. Effects of ginsenoside-Rg1 on post-thawed miniature pig sperm motility, mitochon-dria activity and membrane integrity. J Emb Trans 2013 ; http ://dx.doi.org/10.12750 /JET.2013.28.1.63

[※6]Ji M, Mnami N, Yamada M, Imai H. Effect of protopanaxatriol saponin on spermatogenic stem cell survival in busulfan-treated male mice. Reprod Med Biol 2007; 6:99-108; http://dx.doi.org /10.1111/j.14 47- 0578. 20 07.0 0172 .x

[※7]Kumar M, Sharma MK, Saxena PS, Kumar A. Radioprotective effect of Panax ginseng on the phosphatases and lipid peroxidation level in testes of Swiss albino mice. Biol Pharm Bull 2003; 26:308-12; PMID:12612438; http://dx.doi.org/10.1248/bpb.26.308

[※8]Cho ES, Ryu SY, Jung JY, Park BK, Son HY. Effects of red ginseng extract on zearalenone induced sper-matogenesis impairment in rat. J Ginseng Res 2011; 35:294-300; PMID:23717072; http://dx.doi.org/10.5142 /jgr.2011.35.3.294

[※9]Penson DF, Wessells H. Erectile dysfunction in dia-betic patients. Diabetes Spectrum 2004; 17:4225-30; http://dx.doi.org/10.2337/diaspect.17.4.225

[※10]Ryu JK, Lee T, Kim DJ, Park IS, Yoon SM, Lee HS, Song SU, Suh JK. Free radical-scavenging activity of Korean red ginseng for erectile dysfunction in non-insulin-dependent diabetes mellitus rats. Urology 2005 ; 65 : 611-5 ; PMID:15780402; http://dx.doi.org/10.1016/j.urolog y.2004.10.038

[※11]Sotaniemi EA, Haapakoski E, Rautio A. Ginseng therapy in non-insulin-dependent diabetic patients. Diabetes Care 1995; 18:1373-5; PMID:8721940; http://dx.doi.org/10.2337/diacare.18.10.1373

[※12]Kim SD, Kim YJ, Huh JS, Kim SW, Sohn DW. Improvement of erectile function by Korean red ginseng (Panax ginseng) in a male rat model of metabolic syndrome. Asian J Androl 2013; 15:395-9; PMID:23377529; http://dx.doi.org/10.1038 /aja.2012.159

[※13]内分泌かく乱物質(環境ホルモン)
https://www.gpc-gifu.or.jp/chousa/infomag/gifu/100/4-iguchi.html

[※14]https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/other/yuugaisei.html

[※15]Lee JH, Sul D, Oh E, Jung W W, Hwang KW, Hwang TS, Lee KC, Won NH. Panax ginseng effects on DNA damage, CYP1A1 expression and histopatho-logical changes in testes of rats exposed to 2,3,7,8-tet-rachlorodibenzo-p-dioxin. Food Chem Toxicol 2007; 45:2237-44; PMID :176246 48; http://dx.doi.org/10.1016/j.fct.2007.05.019

[※16]Solakidi S, Psarra AMG, Nikolaropoulos S, Sekeris CE. Estrogen receptors α and β (ERalpha and ERbeta) and androgen receptor (AR) in human sperm: localization of ERbeta and AR in mitochon-dria of the midpiece. Hum Reprod 2005; 20:3481-7; PMID:16123086; http://dx.doi.org/10.1093/humrep/dei267

[※17]Zalata A A, Mokhtar N, Badawy Ael-N, Othman G, Alghobary M, Mostafa T. Androgen receptor expression relationship with semen variables in infer-tile men with varicocele. J Urol 2013; 189:2243-7; PMID :23201383; http://dx.doi.org/10.1016/j.ju ro. 2012 .11.112

[※18]Furukawa T, Bai CX, Kaihara A, Ozaki E, Kawano T, Nakaya Y, Awais M, Sato M, Umezawa Y, Kurokawa J. Ginsenoside Re, a main phytosterol of Panax gin-seng, activates cardiac potassium channels via a non-genomic pathway of sex hormones. Mol Pharmacol 2006 ; 70 :1916 -24 ; PMID:16985185; http://dx.doi.org/10.1124/mol.106.028134

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